『太一〜UFOに乗った少年』Blog

宝生明のファンタジー「太一〜UFOに乗った少年」と現実

青いアインシュタインがやってきた

2013年2月、僕はメキシコのチチェン・イツァーに行った。幼い頃からそのピラミッドを見るのが夢だった。

到着した日に遺跡を一巡りした。そこに二泊三日する予定だ。遺跡に隣接するリゾートに泊まった。そこはかつてチチェン・イツァーを発掘した一族が建てた家を、リゾートに改修した場所だった。

翌朝、僕が泊まっている部屋のガラス窓に、一羽の鳥がぶつかって死んだ。「なんのサインだろう?」と思ったが、たまたまそういうことが起きたのだろうと思っていた。

そのまた翌朝、友人から電話がかかってきた。

「ほうちゃん、今どこにいるの?」

「メキシコのチチェン・イツァー」

「なんでそんなところにいるの? いいなぁ。まあいいや。ところでさぁ、Nさんが死んじゃったよ」

Nさんは霊的な人だった。時々神の言葉を降ろしていた。その言葉はパワーがあり、現実にたくさんのシンクロニシティを生み出した。死ぬ寸前まで元気だったらしい。ポックリと亡くなった。友人とひとしきり話し、電話を切り、昨日の鳥はNさんが知らせに来たのかな?と思った。その瞬間、僕の心の中で誰かがこうつぶやいた。

「この世界が多次元であることに深く気づけ」

「は?」と思った。まず意味がわからない。そう言われてじわじわと「いろんな人がいろんな解釈で生きている」ことに思い当たる。だけど、それだけのことを言われたような気がしない。何かもっと深遠なことを伝えられたようだ。

それから一ヶ月後、僕はバリ島にいた。一緒にバリ島に行った人と瞑想をしようとしたとき、たまたまメキシコの話になった。

「それでさぁ、なぜか『この世界が多次元であることに深く気づけ』と言われた気がしたんだよね」

そう言った瞬間、その部屋の窓がバンッと鳴った。なにが起きたのかわからなかった。物語としては鳥が窓にぶつかって死んでいたらすごいなと思ったが、「まさか」と思っていた。恐る恐る窓に近づき、ガラス窓から外を見ると、窓の外に小鳥が死んでいた。

このときの驚きはなんと表現したらいいのか難しい。頭がクラクラした。そんなことが起こるわけがないと思った。自分が不思議な世界に迷い込んだようにも思った。鳥が窓にぶつかって死ぬなんてことは、生まれてこの方見たことがなかった。それが一ヶ月の間に二度起きてしまったのだ。すごい偶然だなと思い込んだ。ところがそれで許してはもらえなかった。翌々日にニュピという祭になった。その日一日バリ島のすべての人が外出しない、火や電気を使わない、食事をしない日だ。その日に一日瞑想をしに行く。とても静かで深い瞑想ができるのだ。その瞑想をしている最中に窓がバタバタと鳴った。何だろう?と思い目を開けると、目の前のガラス窓に鳥がこちらに入ろうともがいている。ガラスがあって入れないが、何度もガラスにぶつかりながら、こちらに入ろうと必死だ。二、三分もその状態が続いただろうか。呆気にとられた。鳥が窓のこちら側に来ようとするという、滅多に目に出来ない状態をこれで三回見たことになる。それから一時間ほどして、同じように鳥が窓にぶつかった。合計4回の不思議な体験。これがすべて偶然で済まされるのだろうか? これは『この世界が多次元』であることに関係があるのだろうか? まったく理解不能だった。

それから一ヶ月ほどして、水晶画家のアキラに会った。この話をすると、彼はこんなことを言いだした。

「やっとわかった」

「なにが?」

「はじめての個展『創世記』に、『タイムマシンの窓より アルバート・アインシュタイン』という作品を描いたんだけど、その裏にさぁ、なぜだかわからないけどこう書いたんだよ」

「きみたちはいずれ
いくつもの宇宙と
いくつもの自分に
気ずく時が
くるだろう」

「これってさあ、『この世界が多次元であることに深く気づけ』と同じこと言ってるよね」

「確かに」

「ほうちゃんにその言葉が降りてきたってことは、その絵と一緒にいると何か起こるんじゃないかなぁ」

という訳で、うちにその絵がやって来ました。これからなにがおこるのでしょう?

『タイムマシンの窓より アルバート・アインシュタイン』

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アキラアルバート・アインシュタインチチェン・イツァーニュピバリ島メキシコ多次元水晶画家

宝生明 • 2014年4月22日


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